リッチライフ

マンションの進化形とは何か?

審査結果発表

リッチライフ デザインコンペ2014「マンションの進化形とは何か?」の審査を、去る平成26年12月19日 横浜の万国𣘺会議センターで行いました。

多数の応募作を厳正に審査いたしました。

最優秀賞、各賞受賞作品および受賞者の方々は以下の通りです。

審査委員長総評

コンペというものは、見方を変えれば審査員が審査される面もあり、いつも真剣勝負であります。
突き詰めて言うと、私は①第一印象の大切さ、②射程距離の長い企画であるということ この2点を座標軸にして審査をしています。
その両面のバランスがいいということが私の審査のポイントです。
昨年は、学生の応募が多い印象がありましたが、本年は、テーマをより具体化して、プラクティカルな作品が多く集まりました。建築のコンペですから、絵物語ではない、技術的な裏打ちをしっかり示してくれている作品が多かったことは、今回の成果であると感じています。

リッチライフコンペ審査委員長 難波和彦

最優秀賞『An elder flaneur』

鈴木 岳彦(OMA)

最優秀賞『木密穽孔』

応募作全体を通じて、最も秀逸な作品であると評価しました。
マンションという既成の概念/ 個別住戸の集合体 という部分をどのように昇華していくのかということが、マンションの進化形というテーマの真意ですが、この作品においては、そのアプローチの独自性と完成度、独特の雰囲気を評価しました。
個別の住戸の集合体 という概念に、いかにして、どのような「公共性」を組み込んでいくのか?
その公共性のあり方、「公共性」という言葉への批評性 それが独自であるわけです。
この作品は私の暗に想定していた無意識を超越する迫力を感じました。
強いて言えば、ロシアアバンギャルドの精神性を彷彿とさせる雰囲気を持った作品だと感じました。

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リッチライフ賞『Water Wall』

吉松 宏樹(フリー)

リッチライフ賞『生活舞台の再構築』

この作品は、最優秀賞とは対照的なオーソドックスな作品です。
主催者の強い推薦で受賞しました。
新しいガラスウォールの技術的提案 それによって、無味乾燥なイメージになりがちな共用部を潤いのある空間に転化していく。それは「水」で作ったガラスです。
また、玄関ポーチを拡大していく試みと言えるかもしれません。
エコロジー、ローエネルギーと生活の楽しさを両立させる。それも明らかにこれからのマンションに要求される「質」でありと思います。その意味で、この作品は優れていました。

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優秀賞『3層1ユニットのマンション』

木下 健二(ハル設計事務所)

優秀賞『Collection Passage』

この作品も、共用部分の可能性を最大限に表現しようとした作品です。
「街」をその発生エネルギーのまま、人工地盤に載せて増幅させるという、ダイナミズムが評価されました。
この広々した共用部分の「価値」が、正当に評価されることで、実現可能性が決まる、新しいマンションの形であると言えるでしょう。

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優秀賞『中廊下をほぐす』

早川 友和(早川友和建築設計事務所)

優秀賞『大きな玄関口のつながり』

怪物の大きな手でマンションの中廊下をギューッとつかんでパン!と放した時の波動が、建物全体に波及した・・・
そんな形の建物です。ある意味での「自然なゆらぎ」が豊かな住民同士の関係性を形成するように意図されています。
一般に集合住宅においての法的規制で、職住一体がなかなか認められないというのは、建築の側からは不満があります。それがマンションの発展可能性を阻害しているともいえます。この作品は、その突破口を指し示してくれています。
いわば、長屋 横丁の人工地盤化であるが、洗練されています。

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優秀賞『生活単位の再編成』

田島 亜莉沙(横浜国立大学大学院)

優秀賞『浮遊するスラブでつながる集合住宅』

ランダムな断面図が魅力的な作品です。
混沌とした面白さや、プレゼンの秀逸さは認めつつも、建築的なコアやパイプシャフトを整理して(骨格化)、もう少しプラクティカルにしていくことで、新しいシステムが見えてくる可能性があると感じました。
すべての箱が閉じていないというところが重要であると考えました。

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優秀賞『SOCIAL UNITS』

嶋田 光太郎(横浜国立大学大学院)

優秀賞『Sukima House』

システムを徹底的に追及することで、むしろ自由度が生まれるという 魅力的な作品です。
個人個人の環境制御の行為が、結果的にマンション全体の制御につながっていく、そこに新しい意味での公共性が生まれます。さらに進めていってほしい考え方です。

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優秀賞『ふたみち玄関のいえ』

座古 竜介(前田建設工業株式会社)

優秀賞『Sukima House』

注意を喚起するユニークな提案です。 隣の家同士で共用部をいっしょに使うという考え方は、玄関というものを二つ作るという新しい発想に結び付いたが、個人と他者という観点からリアリティーに欠ける面もあります。もうひとひねり、工夫が欲しいと感じました。

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